ブランド転売が危険とされる理由、逮捕された人たちが見落としていた法的リスク

正直に言うと、僕も最初は「フリマアプリで売るくらい、そんなに問題ないでしょ」と思っていました。副業として、生活費の足しとして、ブランド品を転売する。一見すると、誰にでもできる手軽なビジネスに見えます。でも、実際に逮捕事例を追っていくと、その考えがいかに甘いかを思い知らされました。逮捕された人たちの多くは、自分が法律を犯しているという認識を持っていませんでした。むしろ「副業として頑張っていた」だけでした。でも、法律は「知らなかった」を理由に見逃してはくれません。この記事では、実際に逮捕され、有罪判決を受けた人たちが何を見落としていたのか、どこでリスクを見誤ったのか、本音で語っていきます。

フリマアプリで「確実に本物」と売った25歳会社員が逮捕された理由

2026年、埼玉県熊谷市で25歳の会社員の男性が逮捕されました。商標法違反の容疑です。彼がやっていたのは、海外からブランド品を仕入れて、フリマサイトに「確実に本物」と出品して販売すること。生活費の足しにするためでした。本人は「本物だと思って売っていた」と供述しています。

でも、警察が自宅を捜索すると、他にも偽ブランド品と思われる時計などが発見されました。ここで見落とされていたのは、仕入れルートの信頼性を自分で検証していなかったという点です。格安で仕入れられる商品が本物かどうか、その裏付けを取らないまま「確実に本物」と断言して販売してしまった。これが致命的でした。

商標法違反は、偽物と確実に知っていなくても成立します。「偽物かもしれない」という認識があった時点で、未必の故意として立件される可能性があるんです。仕入れ値が不自然に安い時点で、本来は疑うべきでした。でも、彼はそこに目をつぶった。そして逮捕されました。

商標法違反の罰則は、10年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科です。これは決して軽い罪ではありません。そして、偽物を本物と偽って販売した場合には、詐欺罪として10年以下の拘禁刑が科される可能性もあります。生活費の足しにするための副業が、人生を狂わせるレベルの刑事罰につながる。この現実を、僕たちは正面から受け止める必要があります。

懲役1年6月、罰金100万円、フリマアプリでの個人販売が有罪判決に至った事例

2024年6月、愛媛県松山市で、フリマアプリで偽ブランド品を販売していた中国籍の女性に有罪判決が下されました。懲役1年6月、執行猶予3年、罰金100万円。さらに、偽造品1,368点が没収されました。

この事例で重要なのは、フリマアプリという身近なプラットフォームでの個人販売であっても、有罪判決まで至るという事実です。プラットフォームが「メルカリ」や「ラクマ」のような手軽なサービスだからといって、法律が甘く見てくれるわけではありません。むしろ、誰でも簡単に始められるからこそ、法的リスクを理解しないまま踏み込んでしまう人が多いんです。

1,368点という数字が示しているのは、彼女が長期間にわたって継続的に販売していたということです。おそらく、最初の数ヶ月は「バレていない=問題ない」と思い込んでいたはずです。でも、法律の目は常に光っていました。そして、積み重ねた販売実績が、そのまま立件の証拠になったんです。

僕がこの事例から読み取るのは、フリマアプリという身近な場所だからこそ、危険性が見えにくくなっているということです。スマホで簡単に出品できる。取引も数タップで完了する。そのハードルの低さが、法的リスクの重さを感じさせなくしてしまっている。でも、販売する商品が偽物であれば、どんなに手軽なプラットフォームであっても、法律は容赦なく追及してきます。

2年以上バレなくても、遡及的に立件される

2024年2月、静岡県の清水警察署が、千葉県に住む男女2名を逮捕しました。容疑は商標法違反。2人は2021年12月頃からフリマアプリを利用して偽造品を販売していました。つまり、約2年以上にわたって継続的に販売していたわけです。

この事例が示しているのは、「長期間バレなかったから大丈夫」ではないということです。摘発のタイミングは販売者が決められるものではありません。警察は関係先から偽ブランド品を押収し、過去の販売履歴を遡って捜査します。そして、継続的に販売していたという事実が、悪質性の証拠として扱われます。

本音を言えば、この2年間、2人は「バレていない=問題ない」と思い込んでいたはずです。でも、法律の目は常に光っていました。そして、積み重ねた販売実績が、そのまま立件の証拠になったんです。

僕がこの事例から学んだのは、時間が経てば安全になるわけではないということです。むしろ、継続すればするほど、証拠が積み重なっていく。そして、ある日突然、警察が動く。その時には、もう取り返しがつかない。

本物のブランド品でも違法になるケース、古物商許可の壁

ここまでは偽物を扱った事例を見てきましたが、本物のブランド品を扱っていても違法になるケースがあります。それが古物営業法違反です。

2021年、あるアパレルブランドの社員が、古物商許可を取得せずにブランド品をフリマアプリやネットオークションで反復継続的に転売したとして書類送検されました。扱っていた商品は本物です。偽物ではありません。でも、許可なしで反復継続的に転売したことが問題になりました。

古物営業法では、営利目的で継続的に中古品を売買する場合、古物商許可が必要です。そして、「新品として購入した商品」であっても、一度消費者の手に渡れば法律上は「古物」として扱われます。つまり、自分で買ったブランド品を何度も転売していると、それだけで古物営業法違反になる可能性があるんです。

この法律の運用は、多くの人が見落としています。偽物を扱わなければ大丈夫だと思っている。でも、本物であっても、継続的に転売していれば違法になる。この事実を、僕たちは知っておく必要があります。

古物営業法違反の罰則は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。偽物を扱わなくても、許可を取らずに転売を繰り返していれば、刑事罰の対象になるんです。副業感覚で始めた転売が、知らないうちに違法行為になっている。そのリスクを、多くの人が見落としています。

無在庫転売が持つ構造的な真贋リスク

最近、無在庫転売というビジネスモデルが広まっています。在庫を持たずに注文が入ってから仕入れるという方法で、初期費用が抑えられるため人気です。でも、ブランド品の無在庫転売には、構造的に高いリスクが潜んでいます。

それは、商品を自分の目で確認せずに発送するという点です。仕入れルートが信頼できるかどうかを自分で検証できない状態で、ブランド品を扱う。これは、偽物を扱ってしまうリスクを自ら引き受けることになります。

無在庫転売自体は違法ではありません。でも、偽物を扱った場合の法的責任は、すべて販売者に帰属します。「仕入れ先が悪かった」「知らなかった」は、法律上の免責理由にはなりません。実際に逮捕された25歳の会社員も、仕入れルートの信頼性を確認していなかったことが致命的でした。

そして、ここで厳しいことを言わせてもらうと、FC(フランチャイズ)やコンサルのサポートがあったとしても、法的責任は販売者個人に帰属します。サポートしてくれる人がいるから安心、という考えは甘いです。逮捕されるのは、サポート側ではなく、あなた自身です。真贋を自分で判断する手段を持たないまま、刑事罰のリスクを背負う。このリスクを理解した上で、それでもやる覚悟があるかどうか。そこが問われています。

ブランド転売という領域が持つ構造的な難しさ

ここまで見てきた事例から見えてくるのは、ブランド転売という領域が持つ構造的な難しさです。商標法の運用は年々厳格化が進んでいます。フリマアプリ側も出品規制を強化しており、アカウント停止や売上金凍結のリスクは以前より高まっています。

仕入れルートの信頼性を検証する体制、真贋判定のスキル、古物商許可の取得、確定申告の準備。これらすべてを自分でカバーする前提がなければ、ブランド転売は「気軽な副業」とは呼べない領域です。そして、FCやコンサルのサポートがあったとしても、法的責任は販売者個人に帰属します。

逮捕された人たちの多くは、自分が法律を犯しているという認識を持っていませんでした。むしろ「頑張っていた」だけでした。でも、その努力の方向が、法律という壁にぶつかってしまった。この現実を、僕たちは正面から受け止める必要があります。

同じ仕入れルートを複数の販売者が共有する構造では、価格競争が激化して利益率が低下します。利益を出すために、より安い仕入れルートを探す。でも、その安さの裏には、偽物を扱うリスクが潜んでいる。こうして、意図せず法律を犯してしまう人が生まれます。

ブランド転売を始める前に、まず自分に問いかけてほしいことがあります。真贋を見分けるスキルはあるか。仕入れルートの信頼性を自分で検証できるか。古物商許可を取得する準備はあるか。これらの問いに「はい」と答えられない状態で、この領域に踏み込むことは、リスクを見落としたまま走り出すことと同じです。

僕は、ブランド転売を全面的に否定するつもりはありません。でも、この領域が年々難易度を上げているという現実は伝えたい。法律は厳しくなり、プラットフォームは規制を強化し、競争は激化している。その中で、法的リスクをゼロにする方法は存在しません。できるのは、リスクを理解した上で、自分がどこまで引き受けられるかを判断することです。

この記事を読んで、あなたがどう判断するかは、あなた自身が決めることです。ただ、「知らなかった」では済まされない世界だということだけは、覚えておいてください。

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